立ち入ることを許さぬ場所へ

地元着くと、懐かしいなあと思うことがある。

幼少期、数十年住んだ土地にはそれぞれ何かしら思い出があるものだ。

家族といったあのレストラン、毎年のお祭り、友人と遊んだ商店街•••そこに降り立つだけで、それを思い出して懐かしいという気持ちになる、というのは誰しも経験があるだろう。

昨日、夫と歩いていた時のことだ。

ふと、私の中では「地元」に入る場所が話題になったので、私が



「うわあ、懐かしいなあ。そこは地元だから、行くだけで安心してホッとするな」というようなことを言った。

すると、夫は「そんな自分の家より一駅離れているところなんて、地元なの?地元なわけないじゃん」とこのように言った。

まさか、人の感覚にまで夫はケチをつけるのかと、呆れてしまった。

なんで人が地元だ、と判断しているにも関わらず、それをそんなわけない、地元にはならない何て言うんだろうか。

とりあえず、なんでも否定しないと気が済まないのだろうな、とその後血の気が引いて彼との会話は終了した。


昨日はいよいよ、夫の望んでいるものが入らない、見つからないということで、私に怒りが向き出した。

それは住居のことなのだが、私の名義でマンション経営する計画を述べたり、訳あり物件情報を持ってきたので、「うーん、それは怖いな。」と述べると、「何も意見をもって来ないくせに文句をいうな。何も意見がない奴は言うことを聞いていろ」このように言われ始めた。

ここで意見を述べてみたところで、「そんなことはもう知っている、当たり前、そんなこと無理、何も考えずに思いつきで話すな」と言われるのが関の山なので、私は小さく「はい」と返事をして家事を進めた。

怒りに繋がらなかったことは自分を褒めたい。

でも夫と家にいるのは、息が詰まりそうだ。いつまで正気を保てるのか、先のことを考えると不安でしようがない。


目の前の現象に集中する。それがいちばん今私にできる事だ。頑張ろう。